インド西部、主要織りもの地域グジャラートで、約15年前に入手した、灰色とくすんだ渋いピンクの古布です。織物工房の一角にこの状態で残され、数十年以上を経て天然染色ならではの穏やかな色使いで、経糸は太めで毛羽立つウール糸、緯糸は細く艶ある絹糸(ウール糸)で編まれています。使いズレで薄くなった地や、ほつれや大きな欠落もみられますが、丁寧に扱われ心惹かれる古布です。
図柄は、全体として灰色の地に、くすんだピンクで大小の花や蕾などを描き、上下横帯2カ所(下では4段め)では、ピンクの地にえんじ色で小さな赤い実と鞘が菱形の周りに描き、華やかさを引き立てます(1-3枚め下から順)。
下側2段めでは、黒紫の蕾に囲まれ、開花を待つ3つのピンク小花に見え、3段めでは、大きく緩やかな6角の灰色の鉢?に、地から伸びる幹と茂った葉や花、頂に束状の花のモチーフにも見えます。横帯部を裏から見ますと、太く厚いウール緯糸の帯が花などに立体感をもたらします。3段めの細帯には、小さな8枚花弁の花9つが織られ、間に蔓?も描かれ、4段めはピンクとえんじ色の華やかな横帯が続きます(10-14枚め)。
布の大半を占める中央部(約102㌢)では、えんじ色とピンクの、大中小の花模様が置かれ、大きめでえんじ色の8角繋がりの花、整った8花弁の中サイズの花、細長で楕円の小さな花が、横と縦に繋がり花の連鎖を描きます。さらに連鎖の間には、ピンクの花弁とえんじ色の花芯をもつ小さな花7つが1つを取りまき、灰色の地にピンクの小さな花びらが散っています。
左右両端に部分的な花紋が見られますが、端では細い緯糸が太めのウール経糸を越え折り返しますので、切断布でなく、約34㌢幅の細織り台での織物です。1本の糸は、花の紋様に準じ各色に染色され、数十本の糸が色ごとに絞り染めされています(17-20枚め)。
インドで最も有名なパトラ織物は、絹糸の、経糸と緯糸を図柄に応じて絞り染め、ダブル・イカット織り(縦緯絣)がなされます。本品も、ウール糸を色ごとに絞り、絞りを解き1色を染色し、再度絞り2重染色を避け、次の色染色を繰り返します。
絞り染め本品も、パトラ織りと同様に、職人の高度な技術が必要なダブル・イカット織りで、パトラの伝統「八角の花」も継承する、額に入れたい、ほのぼのとした古布です。
サイズ;約170㌢ 幅約32㌢
| 商品の状態 | やや傷や汚れあり","subname":"目につく傷や汚れがある |
|---|

オススメ度 3.5点
現在、19件のレビューが投稿されています。